鞘塗直しなど、一旦完成をした鞘への諸工作をご検討時に知っておきたいこと

最近、鞘の諸工作についてお問合せをいただくことが増えてきました。

しかし、一旦完成した鞘への諸工作は、事前の確実なお約束の難しい作業となります。
これは日本刀(真剣)も模擬刀も区別なく、同様です。

もしお手持ちの鞘に対して何らかの諸工作をご検討されている場合には、本記事をぜひご一読ください。

 

完成した鞘への諸工作手順

一旦完成した鞘への諸工作には、概ね次の手順での作業が行われます。

一旦完成した鞘への諸工作手順

  1. 現在の鞘塗を全て剥がす
  2. 希望の工作を行う
  3. 再度鞘塗を行う

一旦完成した鞘に諸工作を行うには、まず現在の鞘塗を剥がす必要があります。その上で希望工作を加え、再度鞘塗を行って完成します。
模擬刀身には必ず鍍金による表面処理がなされるように、鞘は、最終的に必ずその外側に鞘塗が施されて完成となりますので、手順2.の工作範囲や程度によらず、その前後での塗りの剥がしと再鞘塗は必須工作です。

鞘への諸工作が難しくなる理由

この一連の作業の中で、もし刀油の使用が過度だった場合、鞘木地に浸潤した油が塗料をはじいてしまい、手順3.の再鞘塗を行うことができなくなってしまいます。
また、刀油の浸潤具合は、事前拝見での外観目視では判断することができず、鞘塗を剥がしてようやく確認が可能となります。

このため、一旦完成した鞘への諸工作の事前確約が非常に難しくなっています。

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鞘塗を剥がして判明した刀油の浸潤。下の画像は分かりやすいよう浸潤箇所を赤く示しています。

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お手持ちの鞘への諸工作をご検討の方へ

 このような事情から、お手持ちの鞘への諸工作をご検討の方には、必ず鞘の再製作の可能性をご了解いただく必要があります。このご了解をいただいた上で、次のような流れでご対応をしています。

お手持ちの鞘への諸工作 ご対応の流れ

  1. まずは諸工作としてご注文をいただき工作着手します(鞘塗を剥がす)。
  2. 刀油の浸潤が認められるなどご希望工作の実施が難しいと判断する場合、作業を中止しご報告をします。
  3. ご依頼そのものを中止するか、鞘の再製作を行うかお客様に判断をいただきます。
  4. 鞘の再製作を行う場合、別途追加料金を申し受け、作業を再開します。

※3.にてご依頼そのものを中止した場合、鞘塗の剥がれた状態でお返しとなります。

 

「鞘は消耗品」というご意見もよく耳にしますが、このような製作事情からもあながち的外れではない考え方だと感じます。
とはいえ、稽古を重ねた御刀には愛着も湧きますし思い入れが強くなるのは当然です。もしそのような大切な御刀への諸工作をお考えでしたら、是非一度ご相談ください。
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